子どもたちにも何かできることはないか

どんな形にせよ人の集まる学校の再開には、考えられる限りの対策をしなくてはならないだろう。その中で、従来から言われている感染症対策の徹底はもちろんだが、少しでも子どもたちでも参加できることはないのだろうか。
子どもにしてみれば、自分が学校で感染して家族に持ち帰ることもあるのではないかと考え、心を痛めているのではないか。子どもたちの声を聞く必要がある。

26日に文科省が簡易検査キット(抗原検査)を幼小中に配布するという方針を出した。それに対して専門家からは問題も指摘されている。例えば、

簡易検査キット、幼小中に配布へ 専門家は「混乱」指摘 https://digital.asahi.com/articles/ASP8V6CTZP8VUTIL025.html

 

それはそうだろう。例えば、一般的に考えれば、学校には保健の先生がいるのだから検査はできると考えるかもしれない。しかし、そうだろうか。専門の看護士さんが検査をするときには、防護服や手袋、防護眼鏡などを着て実施するわけだ。学校の規模や保健室の先生(養護指導教諭)にもよるかもしれないが、どこの学校でもいつでも検査が可能とは言えない(今回の配布には他にもいろいろ疑問があるがここではふれない)。

抗原検査は的中率に疑問はあるが、しないよりはマシかも知れない。本当はPCR検査をすれば良いのに、今まで国はずっと検査は誤解を与えるだのという文書を配るまでして、その大規模実施に背を向けてきたようだ。その点では例え抗原検査でも、一歩前進と言えるかも知れない(筆者の近くにある事業所では、職員の希望者は毎週1回抗原検査をしてもらい、陽性ならば即PCR検査をしてもらえているし、実際それで感染していた人も見つかっている)。

 

しかし今回のように、キットの配布だけで、あとは現場にお任せというのはひどい。国は各学校に看護士も派遣すべきだろう。少なくても例えば中学校ブロック毎に検査ステーションを設ける位のことはできるはずだ。そして、国にその気が無いようであれば、地方自治体がすぐに緊急課題として人を派遣するなり、学校からの連絡を受けて近くで検査ができる救急体制をとらなければならないはず。国の悪政から住民を守るというのも地方自治体の任務のはずだ。以前、いくつかの自治体では“すぐやる課”などという部署を設けているところがあった。そのように優先的にコロナ対策をしなければならないはずだ。

 

とかく大事なことは後回し、お金になることや派手なことはやりたがる首長が多い。しかし地元で困っている人達を助けるのは首長はじめ役所の大事な仕事ではないか。どこのポスト、部署にいても、それぞれの職員が他人まかせ、責任逃れをしてはいないか。また民主的な手続きを経ずして、自分の手柄にして何かを決めてやっていないか? 国も府も市も、誰一人積極的に動かないのでは、コロナ禍は人災とも言えるが、動く時には現場の声や子どもたちの声によく耳をかたむけて、それらを反映したものにして欲しい。

子どもたちが従来より少しでも何かをできるとすれば、消毒や換気、密を避けマスクなどの着用をしっかりとすることだけでなく、しっかりと学習をすることも、長い目で大切なコロナ対策とも言える。子どもたちの意見を学校運営や行政に反映させれば、大人が考える以上に違うよいアイデアも出ることだろう。ことさら参加型などと言わなくても本来の民主主義の当然の姿でもあるだろう。

 

<追記>

換気や蜜を避けることは、教室環境の整備という大人に負うところが多い。しかし、例えば廊下の各コーナーや街角のいたるところに足踏み式の消毒噴霧器を行政が設置したり、非接触型の体温自動測定器を玄関に1台でも置いたら、子どもたちも参加できる。気軽に消毒したり、体調を知ることが自分たちでもできる。自分も参加しているという気持ちを子どもたちが持つことは教育効果としてとても良い。

このような非接触型体温測定器や自動消毒液噴霧器の設置は、デパート等ではすでに普及している。費用もさしてかからないはず。なぜ国や自治体がしないのか、それともできないのか、不思議。

 

 

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