「学習支援員」配置について

 7月22日、全教吹田は学校教育室より、「学習支援員」の配置事業について説明を受けました。一人でも人手がほしい現場としては、歓迎するものです。この制度は、5月末に国より計画案が発表され、7月1日府より要項が下ろされ、吹田市としての具体化は20日の臨時市議会で予算がつき、正式にスタートすることになりました。以下、その内容と問題点などをお伝えします。

●「学習支援員」の勤務内容と配置

 勤務内容は、授業中の個別指導や補充学習の支援、学級担任・教科担任のサポート(提出物の点検、授業準備の補助など)です。例えば、水泳授業等での密を避ける見守、補助、見学者への個別対応、別室登校児や生徒への学力保障に係わる補助、放課後の学習支援時に個別の学習支援などが上げられています。但し授業や評価はできません。また、家庭訪問等を伴う校外での学習支援や、送迎、学校外で登下校の見守りはできません。

 この「学習支援員」を、8月18日から今年度末まで、小学校は週4時間程度55名。中学校は週6時間程度34名。合計89名を配置する予定です。予算は総額 1,738 万円程。そのうち国が1/5、府が2/5、市が2/5の負担で、吹田市として 850万円程の負担になります。学校規模に応じて人員を増やして配置し、学級数10以上につき1名加配されます。但し小学校は3年以上の学級数でカウントします。

●募集方法

 急に決まった事業なので、まず、「学習支援員」に応募してもらえるように、現在勤めている小学校ではスターター、中学校では非常勤講師の方に、意向を伺っている段階です。具体的な配置や勤務内容については、各学校で本人と十分話し合って柔軟に対応していきたいと説明されました。

●制度の問題点

 「学習支援員」の賃金は、時給 1,156 円と低賃金で、週4~6時間でしかありません。そのうえ、特に問題なのは、非常勤講師が学習支援員としても働く場合、講師として実施した授業に対して支払われる賃金と、「学習支援員」の賃金とでは大きな差がでることです。 3時間目までは講師として働き、4時間目から支援員となるならば、仕事内容は全く違ってきます。  また、「スターター」の人が、本来の業務時間の後に支援員となる場合は、昼休み等の時間は賃金が支払われません。  同じ人が続けて勤務していても、時間によって仕事内容と賃金が違ってくることを、全職員がきちんと認識しないといけませんし、このような問題あるため、予定通り支援員を配置できるか不安です。  予定通り配置できない場合、一般公募する予定になっています。市は、教員免許保持者をあてにしており、教員志望の学生も視野に入れているようですが、低賃金ボランティアに頼るやり方と言えるのではないでしょうか。

●一人でも多くの人手がほしい現場

 新型コロナの感染拡大が続いている中、教職員は学校の除菌・除染に励んでいます。本務の教育活動に集中したいのに、それができずに疲弊しています。「学習支援員」さんに、除菌・除染していただくことはできないかを問うと、あくまでも「学習支援」が目的であるため、学校の除菌、除染作業はできない、との回答でした。  一人でも多くの人手がほしい時に「学習支援員」の導入はとてもありがたく、喜ばしいことです。しかし、学校現場での多忙化解消という観点をもった人員配置が望まれます。そのためにも、全教吹田は、市に対して、あらためて除菌・除染要員の配置を要望しました。

備考: 吹田市の募集案内

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